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コラム オーリャ!

 ドイツの生ビール、イタリアはパスタ、民族衣装の女性がパエリアを薦め、ヤキソバには行列。
 サンパウロ州移民博物館で開かれた移民祭り。各国料理で賑わう雑踏の中、ブルガリアのスタンドに一人の老一世が佇んでいた。
 ジョルジさんといった。八七歳とは思えないがっしりとした体格だ。写真を頼むと「ジャポネースか」と聞かれる。
 「戦争前は住みよい町だったよ。強盗なんていなかった」。ルーマニアで生まれ、八歳で渡伯、サンパウロ市に住んでもう八十年近い。「日本人のおかげで農業が良くなった」と何度も話していた。
 父親が収容所の料理人だったという。「知っているか。三〇年頃は日本人がたくさん来たよ」。その頃の事を聞くと、おじぎの真似をする。「言葉もできないようだし、すぐに出て行ったからね」。かつての収容所で聞く戦前移民の話。当時の情景を想像した。(ま)

  06/06/14