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大統領、またまた着工式に=選挙運動前に最大限立場利用

2006年6月17日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】ルーラ大統領は十四日、リオデジャネイロ市でペトロブラスの石油化学複合施設(Comperj)の着工式に出席し、礎石を置いた。この工事は当初、来年一月着工、二〇一一年完工の予定だった。
 同施設は同市イタボライー区にある四五〇〇万平方メートルの敷地に建設される。現在草だらけの敷地は、同日に官報で布告された法令に基づき接収されたばかりで、土地所有者への補償交渉や環境許可申請は後回しにされている。工費は第一段階の製油所建設工事だけで六五億ドルに達する見込み。
 公共工事の着工式への出席は、選挙戦が公式に始まる七月一日以前にできるだけ数多くの公的行事をこなそうという、大統領の選挙戦略の一部とみられる。選挙法は候補者が公職の立場を利用して選挙運動を行うことを禁じている。完工がずっと先の工事や計画段階の工事をスタートさせるために、大統領は全国を駆け回っている。
 一月にはわずか一日の間に工事が始まったばかりの国道一〇一号線の車線拡張工事現場を三カ所も回り、二月から三月にかけては、連邦大学新設工事など礎石を四つも置いた。六月に入ってからは、アマゾナス州でガスパイプライン敷設工事着工式と北東部縦断鉄道の着工式。いずれの式典でも、大統領は自画自賛、そして野党攻撃の演説を忘れていない。