2006年6月20日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日、十九日】十月の統一選挙に向けて、各党の公認候補および政党間の連立の届け出提出締め切りが今月三十日に迫ったことで、各党はあわただしい動きを見せている。ほとんどが今週中に全国党大会で決着する意向を表明しており、とくに連立が選挙の結果を左右するとあって、内部では思惑と駆引が入り混って調整に大わらわとなっている。
再選を目指す労働者党(PT)は連立政権を条件に各党の抱き込みに拍車をかけている。ルーラ大統領はこの期に及んでも出馬を表明していないが、PTでは立候補は既成事実として受け取めており、大統領地震も再選を視野に入れた言動を取っている。
この中で特に注目されたのが、再選を果した場合、閣僚メンバーおよび公的機関のトップの椅子を連立政権の各党に対し振分け、増員すると発言したことだ。現在三十三ポストのうち与党PTが十六ポストを占めているが、これを減らして各党に配分するという。
これはルーラ大統領が連立を強く希望しているブラジル民主運動党(PMDB)へのエサと受け取められている。PT党執行部は再選を果すためのやむを得ぬ手段として容認の姿勢を見せているが、関係者はPT党員の間でつき上げが噴出するのは必至だとみている。
PMDBではテメル総裁を始め少なからず連立に向けて心が動いている様子をみせている。ルーラ大統領は、PMDBとの連立はサッカーで例えるなら攻撃の司会塔であるMF的存在だと公言してはばからず、このラブコールは功を奏した模様だ。PTはさらに歴史的に同調路線を歩んで連立を形成してきたブラジル共産党(PCdoB)とブラジル社会党(PSB)とも連立を継続すべく地方選挙での立候補者調整を行っている。
いっぽうで対立候補のアウキミン前サンパウロ州知事を党公認としたブラジル民主社会党(PSDB)は、副大統領でシャッパを組む自由前線党(PFL)とともに巻返し作戦をとっている。
両党の狙いは各党から大統領候補を出させて一次投票で票を分割させ、決選投票でそれらの党を抱き込もうというもの。社会大衆党(PPS)が連立の意向を示しているほか、候補を出す民主労働党(PDT)、自由社会党(PSOL)、キリスト教社会党(PSC)と、中立を宣言している緑の党(PV)の各党をターゲットとしている。