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最賃増加分GDPの12%に=公的部門の債務に影響大

2006年6月20日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】レアルプラン以後続いた最低賃金の実質的増加により、公的部門の支出は二五〇〇億レアル増加し、二〇〇六年の予想GDP(国内総生産)二兆二〇〇〇億レアルの一二・一%に達することが、応用経済研究所(Ipea)の調査で判明した。
 一九九四年に三〇・四%だった公的部門の債務の対GDP比は、二〇〇六年には五〇%となる見通しだが、仮に最低賃金の実質的増加が九四年十二月以降なかった場合、それは三七・九%にまで低下するという。一二・一%の内訳は、第一期カルドーゾ政権(九五―九八)が一・五ポイント、第二期同政権が同三・二、ルーラ政権が同七・四となっている。
 最低賃金の実質増が公的部門の債務に大きく影響するのは、社会保障院(INSS)の年金受給者の約三分の二が最低賃金を受け取っているためで、最低賃金の実質増がなければ、INSSの支出の対GDP比は七・八%(〇六年予想)から六・一%に低下していたと推定されている。
 「所得格差の改善が頭打ち状態で、財政負担の大きさが明らかになった以上、最低賃金の実質的増加にもピリオドを打つ時期が来ているのではないか」とIpeaの調査担当者はコメントしている。