2006年6月20日(火)
ブラジル日本都道府県人会連合会(松尾治会長)は十九日午前十時半からサンパウロ市イビラプエラ公園の開拓先没者慰霊碑前で、日本移民開拓先亡者追悼法要を行った。西林万寿夫サンパウロ総領事夫妻や羽藤ジョージサンパウロ市議、酒井清一サンパウロ日伯援護協会会長ら日系団体関係者約百人が列席。用意された椅子が足りず、多くは立っての参加となった。
慰霊碑前には各県人会の先没者名を記した過去帳二四冊がきれいに並べられ、ブラジル日本移民百年記念祭実行委員会の献花が置かれた。法要はブラジル仏教連合会の六宗派の合同により執り行われた。
松尾県連会長は慰霊碑に一礼後、「本日はブラジル全土から集まっている先人の霊に対しまして心より感謝を込めると同時に、私達の将来を見守って頂くことをお願い致します」とあいさつ。「末永く慰霊碑を管理し、皆さんと共に日本の良き伝統、心を守っていきたい」と語った。
続いて約十名の僧侶が読経する中、出席者は帽子をとり二列に並んで焼香。順番を待つ間も手には持参の数珠を携え、目を瞑りながら手を合わせていた。
焼香後、佐々木陽明浄土宗南米開教総監があいさつ。「皆さんの亡くなられた方々への感謝の気持ちと、『どうぞ私達を正しく導いて下さい』という願いが届きました。いいお勤めができました。この良い習慣を皆さんと共にずっと続け、日系二世・三世だけでなく、ブラジルの人たちの心にも先祖を尊び、自分を律する心が広がることを願っています」と述べた。
「今があるのは先人の方々のおかげ。感謝の気持ちで来ました」と話すのは十五年間欠かさず参加している中野文雄さん(85)。来年も参加する予定だという。
またブラジル熊本県文化交流協会の福田康雄会長は、「今回も若い世代の参加がないのは寂しい。次の世代に日本の伝統や心を繋げていくためにも、法要の有りかたも考える必要があるのでは」と語っていた。
今回の法要では、初めて文協前から三台の無料送迎バスを準備。二台が使用され、慰霊碑横まで乗りつけた。足の悪い高齢者からは「負担が少なくていいわ」と声が聞かれた。