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お先真っ暗なガス業界=救いの神に甘えたツケ回る

2006年6月21日(水)

 【エザーメ誌八六六号】不安定なボリビアのガスの供給がブラジルの産業にもたらす影響を分析する。需要は増加するのに、国内のガス採掘は伸び悩みだ。ボリビアのガスに全面的に依存をしていたが、ボリビア国民がペトロブラスの採掘を不快としていたなどエネルギー開発の実体が今、明るみに出た。
 反省すると、二〇〇一年のエネルギー危機を解決したのが、ボリビアのガスであった。ボリビアのガスのお陰で火力発電もフル操業に入り、大量の電気を発電した。多くの工場が燃料をディーゼルオイルや石炭からクリーンで安価なガスに切り替えることができた。
 それから五年後、多数の火力発電所が建設、自動車にもガスが使用され、消費量は激増した。さらに大きな問題は、頭の構造が異なるコカイン王がボリビア大統領に就任し、時代錯誤の民族主義を打ち出したことだ。しかも、ルーラ大統領が共鳴者だという。
 ブラジルとボリビアの外交関係が悪化したら、ガスの全面供給停止も覚悟しなければならない。ガスパイプラインをペトロブラスの独占使用とし、ガス田開発への投資を遅らせたのは、政府の手落ちであった。ガスの消費価格に、不透明で魅力のない調整規準を設けたのも、投資家の意欲を殺いだ原因である。
 混乱でお先真っ暗なガス業界だが、皮肉なことにブラジルのガス販売は有望市場であり、投資家はボリビア危機の早期解決を期待している。一九九九年以来、ガス供給は年間二〇%増の有望産業で、他のエネルギーより遥かに利回りが有利だ。ガスの供給方法さえ解決すれば、大きな発展の可能性を秘めている。