アグリビジネス

2006年6月21日(水)

 ケン(さとうきび)栽培の拡張に伴い、分業化と下請け企業の参入が注目を浴びている。ケン用農機具の製造専門と収穫運搬専門企業、ケンの病気以外は一切請け負うケン栽培業者などである。エタノール精製企業は、搾汁と醸造、販売に専念する。この分野をCCTと呼び、機械一式を所有する企業であることを要する。どの下請けも、八〇台以上の大型トラクターを持つ大世帯である。これでエタノール産業は、設備投資と人事問題の負担が軽くなる。
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 リヒテンシュタイン王国の皇太子が、メルコスールへ自国では消費されない種籾を売り込みに来伯した。リエヒテン米は収穫量が多いのが自慢。午前は馬車馬のように働けば、午後は立派な皇太子になれると父王が諭したという。同王国の人口は三万四〇〇〇人、三分の二は外国人。一九二〇年までは貧乏王国であった。それが郵函制度を設け、世界中から税金亡命を歓迎した。同王国に企業を設立し営業税〇・一%を払えば、その他一切免税である。
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 大豆の穀物商社ブンゲが砂糖へ進出する。すでに、ブラジルの大手砂糖メーカー十社と供給契約を結んだという。砂糖専門の輸送船三隻とも専属契約を結んだ。当初は砂糖のみとし、エタノールは扱わない。ブンゲの特徴は、物々交換方式で大豆や砂糖を売り込む。
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 ブラジル中西部の大豆生産者が政府の為替放縦に抗議するため五月、道路を封鎖した。日本向け大豆三〇万トンの船積みに支障を来たし、日本の商社は米国から緊急代替輸入をした。日本のブラジルからの大豆輸入は二〇〇五年に五六万トンだったが、〇六年は三一万トンに激減した。しかし、菜種の値上がりで大豆の搾油が増加すると予想される。