その日、街は黄と赤に満ちていた。
十八日のサッカーW杯韓国対フランス。ブラジル勝利の余韻が残る中、韓国人街ボンレチーロでは住民が〃韓伯学園〃ポリロゴス校に集合した。
二百人以上はいただろう。会場はチームカラーの赤一色。校舎内に設置されたテロンを見つめ一喜一憂する声があがる。
二世、三世も多いはずだが、まるで韓国で試合を見ているような熱狂ぶり。後半に同点ゴールが決まると、誰もが抱き合って喜んでいた。
試合後は若者が街に繰り出し、民族楽器とともに練り歩く。心なしか、すれ違う韓国系住民の顔は、どれも幸せそうに見えた。
その日は移民の日。日本が勝って日系社会がこんなに喜びをあらわにすることはないかもしれないな、ふと思った。移住四十年の「若さか」、「お国柄」か、それは分からないけれど。(ま)
06/06/21