政府、選挙内規の作成へ=票集めの式典出席厳禁=「旅行三昧の大統領」は返上
2006年6月28日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】二十五日に行われた労働者党(PT)党大会で公認候補に推されて、今年の大統領選挙に正式に出馬を表明したルーラ大統領は二十六日、「クリーン選挙」を旗頭に掲げて、政府内に独自の選挙内規を作成するよう命じた。
内規はプラナルト宮に勤務する法律および司法の専門家が作成するが、大統領は政府関係者および連邦職員がいたずらに票集めを目的に開所式典やイベントへの出席を厳禁することを第一に挙げたと伝えられており、これを骨子としたものになる。
さらに大統領はバストス法相とジェンロ憲政相と会談し、選挙法を遵守することを前提として、選挙高裁メーロ長官とすり合わせをするよう命じた。
バストス法相は政府の立場を説明した上で、高裁の法的解釈の事情聴取を行いたいとしている。ジェンロ憲政相は先に同長官が六省の公務員給与の調整は違法だと発言したのに対し、政府の見解を示して正当性を主張する役割を担う。
高裁は給与調整が法で許容しているインフレ率を上回り、しかも選挙日一八〇日前に暫定令を発令すべきところを期限切れだとして違法だと決め付けた。しかし、最高裁では違法に当らないとの認識を示しており、憲政相はこれを武器に高裁を説得する構えを見せている。
ルーラ大統領はこれまで、政治家は起きている間は選挙キャンペーンをするものだとして「旅行狂いの大統領」との批判を一笑に付してきたが、出馬表明により旅行の自粛を与儀なくされた。
かつ公的な場での選挙活動も禁止され、大統領としての行動も規制される。今後は視察旅行に名目が変更されるが、演説内容も選挙高裁にチェックされることになる。また、プラナルト宮や大統領官邸、連邦事務所なども監視され、選挙運動に使用不可能となる、違反した場合は立候補はく奪となる。