W杯ドイツ大会は佳境に入っている。フッチボールのルールなどにあまり詳しくない日系女性たちが「ジーコがかわいそう」と言った。ポルトガル代表監督のフェリポンが16強戦に勝ったときの興奮は、対称的に「おめでとう」そのものだった。外国チームの監督に招かれたブラジル・フッチボール界の著名人がこんなにも明暗が分かれるとは想像もつかなかった▼各国代表の実力は年毎に接近している。下馬評が良かったチームが勝ち進むとは限らない。しかも、フッチボールの面白さは、国の人口や経済力と、正比例も反比例もしないことだ。米国や中国がフッチボールの実力一流国ではない。このあたりはオリンピックと随分違う。途上国の国民がW杯に熱中するのは、ずばり、この理由からだろう▼ポルトガルは、人口が日本の約十分の一、経済大国といわれる国でもない。それでも8強進出だ。ジーコが日本でなく、ポルトガルの監督であったら、予選が突破できたか、確言はできない。言えるのは結果から「日本がひ弱かった」だけだ▼ジーコの選手招集や試合での采配に問題があったか否かについては、この際さておこう。さきにもふれたが、日本代表の実力評価が、監督や選手のせいではないのだが、あまりにも甘過ぎるのである。サッカーに対する国民の関心を高める、あるいは視聴率を上げるための方策なのかとも思う。日本は日本人ファンが考えているほど、強くないのだ▼これから、世界に伍すべく出直しだ。(神)
06/06/28