2006年6月30日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】大サンパウロ市圏イタペセリカ・ダ・セーラ市で二十八日早朝、同市未決囚刑務所の刑務官がPCC(州都第一コマンド)グループに殺害された。PCC幹部は組織の配下に刑務官の殺害を指令していることから、サンパウロ州当局は今回の事件もその一環とみて、さらなる襲撃を警戒している。
二十七日にはサンベルナルド・ド・カンポ未決囚刑務所で襲撃未遂があり、軍警は事前に情報をキャッチして、十三人のメンバーを殺害した矢先だった。今回の事件で警察はPCCメンバーの一人を逮捕、残り三人の身許を割り出して行方を追っている。
逮捕された犯人の供述によると、PCC幹部から名指しで被害者を三十日までに殺害するよう指示があり、実行に移したという。何故こういう指示が出されたかの説明はなかった。
逮捕された犯人は被害者と同じ通りに住んでおり、他の三人とともに被害者が外出する所を拉致し、問答無用で銃弾十発を撃ち込んで即死させた。一味はその後車で逃走した。被害者は刑務所に十年間勤務していた。
この事件を受けて刑務所職員労組は抗議のための二十四時間ストに突入する意向を示している。いっぽうで上院法規委員会は、刑務所職員が銃を携行することを許可する決議を行った。これまでは禁止されていた。
PCCの不穏な動きを捜査しているサンパウロ州検察は二十八日、PCC幹部の弁護士三人を逮捕した。この中には最高幹部の通称マルコーラの弁護士も含まれている。これら弁護士は接見の際に秘かに携帯電話を差し入れたり、外部との連絡の橋渡しをする〃伝書鳩〃の役目を担っていた。
これにより犯罪組織の結成と加担の罪に問われる。当局はPCC幹部が配下のグループ毎に二人のネクタイ(弁護士)を雇って〃伝書鳩〃に仕立てるよう指示していたとの情報を得て、十六人の弁護士の内偵を続けてきた。今回の三人の逮捕はその一角だ。