6月の輸出再び記録更新=114億3500万ドル=輸入も急増し貿易黒字減少
2006年7月5日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】六月度の輸出が一一四億三五〇〇万ドルに達し、これまで数度にわたり塗り代えられてきた最高記録を再び更新し、単月での史上最高に踊り出た。輸入は七三億五三〇〇万ドルで、これにより貿易黒字(輸出から輸入を差し引いた)は四〇億八二〇〇万ドルとなった。
産業開発省が発表したもので、同省メジアチ貿易局長によると、六月後半に税関職員のストが終結したことで通関業務がスムーズになり、船積に拍車がかかったのが原因だと指摘している。
二十九日には七億四一〇〇万ドルとなり、三十日には一一億四五〇〇万ドルの高水準の実績を見た。しかし、六月全体の一日平均輸出実績はストの影響もあり、五億四四五〇万ドルと低調だった。
今年六月までの上半期の累計は、輸出および輸入ともに最高記録を更新するほどの順調ぶりを示した。輸出は六カ月間で六〇九億一〇〇万ドルと、昨年の上半期より一六・六%上回った。輸入は四一三億六〇〇〇万ドルで昨年に比し二一・六%の増加となった。ただし輸入が急伸したことで貿易黒字は一九五億四一〇〇万ドルとなり、昨年上半期の一九六億五四〇〇万ドルに及ばなかった。
同局長は貿易黒字の約一億ドルの減少はドル安による輸入の増加であり、予期されていた現象だとの認識を示した。その上で、輸入は資本財や燃料部門に集中していることを挙げ、貿易収支にさほど影響はないとの見方をしている。
このため政府が年内目標としている貿易黒字四〇〇億ドルは達成可能だと楽観視している。今年の目標は昨年の実績の四五〇億ドルよりも低く設定されている。
いっぽうで輸入の比率が急増していることで、国内経済とくに工業部門にプレッシャーがかかることを懸念する声に対し、同局長は楽観姿勢を見せながらも、もし行き過ぎがあれば規制措置を取ることも辞さないとの考えを強調した。
また消費財輸入の増加、例えば自家用車の輸入の増加については、確かに今年上半期は七億一〇〇〇万ドルと昨年の三億三九〇〇万ドルに比し一〇九・四%の増加になっているが、反面ブラジルからの輸出は昨年の二〇億二八〇〇万ドルから今年は二二億六六〇〇万ドルの一一・七%増で、はるかに上回っている点を指摘した。