〃移住大県〃といわれる県の一つ、沖縄。県民が外国に出ざるを得なかったわけは、他県と同様「食べていくために」であったが、「送り出し後」の考え方、やり方が随分違う▼現在は、県を挙げて、県系人(移住者やその子孫の二世、三世)を鎹(かすがい)に、県民の移住先国理解および交流に取り組んでいる。今年十月開催される「世界のウチナーンチュ大会」はその例であり、大会に向けての小、中、高校の児童・生徒の準備活動は立派な授業になっている。これは、沖縄県の活力ではないかと思う▼児童生徒たちは、いま、「一校一国運動」を推進中だ。世界の県系人と交流しながら外国の文化や歴史を学ぼうとする企画だ▼よくしたもので、県系人講師に不自由しない。県系人はいつも相当数学びに来たり、里帰りしたりして県内に滞在している。例えば小学校は、それらの人々をまねき、スペイン語や英語などのゲーム、民族衣装の試着などをするというのだ。講師側からいうと「出前授業」である。生きた授業である▼日本では、ゆとり教育の弊害で、またまた学力低下がいわれ、「外国文化」を時間を割いてまで学ぶなど、できないような雰囲気だ。しかし、沖縄はやっている。何が大切なのか、の考え方が違うといえようか▼〃移住大県〃の沖縄にとって、移住県人とその子孫は人的財産なのであり、その財産を「寝かせておかない」で活用をしているわけだ。「移住後」が違うというのは、この辺である。(神)
06/07/07