服役囚らが中庭で寝起き=暴動で施設ほぼ全壊=自業自得とレンボ州知事=サンパウロ州
2006年7月8日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】サンパウロ州アララクアラ市の未決囚刑務所で、服役囚らが暴動を起こして刑務所施設がほぼ全壊したため、囚人らは所内の中庭で寝起きする生活を余儀なくされている。
暴動は先月十六日から十八日にかけて続き、収容されている一四四三人全員が連座した。当局によると、暴動は刑務所を標的に襲撃を画策した州都第一コマンド(PCC)幹部の指示によるもので、保安当局と刑務所管理局に揺さぶりをかけるのを目的としたとみられている。
さらに敷地内に一〇メートルに及ぶトンネルが見つかり、囚人らの取調べでの証言によると、PCCグループが警備員を襲撃するのを合図に集団脱走する手はずだったという。暴動発生で州政府が軍警機動隊を出動させて武力で鎮圧したため計画は未遂に終り、囚人らは人質を取って当局との交渉する意図がフイになった。
建物が使用不可能となったことで、囚人らは中庭に集合させられ晴天の下で生活する破目になった。刑務所には三つの中庭があり日光浴や運動場となっているが、一つは脱走用のトンネルが見つかり、埋められてコンクリートが流されたため使用できないでいる。二つ目は二〇〇人余りの病人専用の収容所に当てられ、三つ目に残り全員が収容監視されている。
一度に多数が横になるスペースがないため、ロジジオ(車両の都心乗入規制)よろしく時間による交替制で眠りについている。トイレの前には長い行列ができている。調理場も破壊されたことで、食事は外部からタンクのような容器で運び入れられている。
ヘリコプターによる映像では屋根なしの収容棟、壊されて山積みとなっている鉄格子、焼かれた寝具やゴミが散乱しているのが確認されている。唯一の出入口の鉄扉は脱走防止のため溶接で閉鎖され、面会謝絶となっている。
刑務所の外では安否を気遣う家族らが詰めかけている。刑務所側によると修復にあと一週間は要するとのことで、囚人らはそれまでこの生活を強いられる。
レンボサンパウロ州知事は人道上のそしりはあろうが、囚人らはそれを承知で破壊行為をしたものであり、自業自得だとの見解を示した。