2006年7月8日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙七日】総選挙まで三カ月を切る中、政府はブラジル郵政電信公社の総裁と三人の理事にブラジル民主運動党(PMDB)議員の指名・推薦する人物を任命した。六日付け連邦政府官報で明らかとなった。
同公社の新総裁にはコスタ通信相(PMDB党員)が指名するクストージオ氏、業務担当理事にはPMDB上院リーダーのスアスーナ上議推薦のジアス氏、技術担当理事にはオターヴィオ上議指名のナーミアス氏、営業担当理事にはジュカー上議指名のアテム氏がそれぞれ就任した。
指名には党内の政府支持派のカリェイロス上院議長、サルネイ上議も加わった。「PMDBは実力と経験がある人物を指名した。政府の任命は党の政府への協力に応えたものだ」とジュカー上議は述べた。さらに三人の理事も近日中に任命される見通しとなっている。
野党は今回の指名と任命を、大統領選へ党独自候補の出馬を断念させたPMDB政府支持派への見返りとみている。PMDBが大統領候補を擁立しないことで、再選を目指すルーラ大統領が一次投票で当選する可能性が高まった。
同公社は国内巨大企業の一つで、職員十一万人、約五億レアルの投資資金を運用し、広告費は約九〇〇〇万レアルに上る。二〇〇五年度の売上は八六億レアル、利益は三億九三〇〇万レアルだった。昨年五月には職員が三〇〇〇レアルの賄賂を受け取る場面を録画した映像が公開され、同公社はその後裏金疑惑へと続く一連の汚職スキャンダルの発端となった。当時の総裁と理事三人もPMDBの指名受けた人物だった。