2006年7月12日(水)
ブラジル日本移民百周年記念協会式祭典委員会(田中洋典委員長)は六日、各都道府県人会の代表者を招いて、百周年記念行事の概要説明会を開いた。説明の中で開催期間の総参加者数は約十五万人が見込まれ、二十一日の公式祭典では七千人規模の一大パレードが企画されていると報告された。また併せて「友情の灯」と呼ばれる聖火リレーの走者や、運営を支えるボランティアの募集などが各県人会に要請された。平日の夕方にもかかわらず、約二十五人が参加、田中委員長の説明に熱心に耳を傾けていた。
説明会では、式祭典の会場であるサンパウロ市アニェンビー区のサンボドロモ会場の平面図をバックに、田中委員長が百周年記念協会の現況と記念行事の詳細を報告。
〇八年六月十四日から二十二日の「日本文化週間」の九日間で、約十万人の来場者を予定し、その中でも二十一日の記念式祭典では四万五千人が来場する見込みだと語った。
「現段階ではこの運営を支えるボランティアの具体的な人数は決まっていないが、数千人は必要。県人会の方でも青年部などに働きかけて欲しい」と呼びかけた。
二十一日の記念祭典は、午後一時から九時までを予定しており、第一部「芸能ショー」、第二部「記念式典」、第三部「パレード」、第四部「花火大会」と構成されるという。特に第三部では「日本移民百年の歩み」と題して、コロニアの歴史を語る七千人規模のパレードを行なう計画で、現在、その参加者を全国の各文化団体に呼びかけていると説明が行われた。
また「友情の灯」と呼ばれる聖火リレーの参加要請がなされた。日本各地から神戸に集まった「灯」をサントス港に船で運び、そこからアニェンビー会場までの約九十キロを各県人会で分担してリレー形式で運ぶというもので、それぞれの県が約二キロの距離を担当することになるという。「まだ詳細は決まっていないが、会から代表者を選んで欲しい」と県人会代表に要請した。
会場に届けられた「灯」は、式祭典第二部のメイン企画として、一世から六世の代表者が灯火台の前に並び、バトンタッチしていく形にする。最後に六世が灯火するによって、今後の日系社会を象徴するシーンになる。
二十一日の式祭典に、ボランティアや来場者を含めて約六万人が一堂に会する点に関しては、食事の場を用意することが課題とされ、「各県人会から郷土色溢れるバラッカを出店してほしい」と依頼がなされた。
この他に、式典の入場券について「会場での混乱を避けるため、事前に各都道府県人会が窓口となって、小麦粉やお米など保存できる食料と交換という形で配布したい」という意向が示されたほか、日本文化週間の中で企画されている「日本のポスター展」に展示する各母県の観光用・PRボスターの準備なども求められた。
千葉県人会書記の小田セルジオさんは「今まで百周年委員会が何をしているのか全然分からなかったが、今日参加して良く分かった。県人会としてもできる限りの手伝いをしたいと思う。このような説明や話し合いの場が今後も必要でしょう」と感想を述べた。
また小松雹玄秋田県人会副会長は「お金の心配があるにせよ、今日の説明はわかりやすく、企画も良かったと思う」と話した。
説明会は「まだこの先二年以上ある。今年は計画の年。来年は具体的に内容を詰めていく年です」と締め括られた。