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工員6千人を人員整理へ=VW、深刻な経営危機=本社の資金援助で持ちこたえる

2006年7月14日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】六〇〇〇人の工員の人員整理を敢行しなければ、工場閉鎖も致仕方ない―。国内自動車のトップメーカーのフォルクスワーゲンは予想以上の経営難に直面している。
 人員整理を表明している同社の政府折衝担当重役はブラジリアで十二日、解雇を回避して再建策を望む国会議員らとの協議会で冒頭発言をし、解雇は避けられないとの態度を強調した。さらに、暗に経営破たんをきたし波紋を投じているヴァリグ航空を例に取り、フォルクスワーゲンがブラジル資本だったらすでに倒産申請をしていただろうとの見解を示した。
 これまで持ちこたえたのはドイツ本社の資金援助のおかげだとして、しかし早期の再建策を提示しなければ、将来の投資はおろか資金援助も打ち切りになるとの認識を強調した。そのためには解雇による経費削減が絶対条件で、さもなくば国内五カ所の工場のうち、一つの全面閉鎖になりかねないとの見通しを示した。
 いっぽうで自動車メーカーは昨年来、採算が取れない悪況に直面しているにもかかわらず、政府は手をこまねいているだけだと強い不満を表明した。同社は現在生産の四三%を輸出しているが、すべてが赤字出血のため最悪の場合は輸出を断念せざるを得ないとし、いっぽうで国内向販売は目に余る税金と高金利の足かせをはめられていて期待できないと決め付けた。
 同社の人員整理案は主力のサンベルナルド・ド・カンポ工場(従業員一万二〇〇〇人、うち組立工八〇〇〇人)で三六七二人、タウバテ工場(四五〇〇人)で六八一人、ザンジョゼ・ドス・ピニャイス(パラナ州、三七〇〇人)で一四二〇人となっている。サンカルロス工場(エンジン部門、五〇〇人)とレゼンデ工場(リオ州、三〇〇〇人、トラックとバス部門)は対象になっていない。