2006年7月14日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】ブラジル政府はアルゼンチンに対し、ブラジル産品の輸入規制の解除を求めるべく産業開発省のフラス長官を派遣して具体的な詰めに入った。
輸入規制は昨年七月に施行されて現在に至っているが、ブラジル政府はアルゼンチンが経済危機から脱出し、経済成長を遂げていることから、もはや規制に値しないとの判断をしている。
さらにブラジル産品を規制しておきながら、他国とくに中国産品の輸入が増加している点を指摘している。ブラジル側は当面、靴および家電製品の規制解除を求めていく方針。
昨年の規制に先立ち亜国側は二年前、家電製品の輸入規制を抜き打ち的に発表した。冷蔵庫が発端となったことから二国間の〃冷蔵庫冷戦〃と呼ばれた。その後メーカー同士が協議して、ブラジル側が自主規制することで決着がついた経緯がある。
今回の焦点はブラジル内で最も不況のあおりを食っている靴製品で、ブラジル製品の輸出は今年一月から五月まで昨年同期対比のわずか〇・一%増の四〇〇〇足にとどまった。いっぽうで中国品は九一・四%増の一一〇万足を数えた。ブラジル側はこの矛盾を指摘している。
これに対し亜国側は、GDP(国内総生産)成長率(八%の予想)を上回る比率での輸入緩和に応じるとの柔軟な姿勢を見せている。このほか同国大統領がかなりの歩み寄りを見せていると伝えられており、二国間交渉はブラジル側の意向がくみ取られると期待されている。