2006年7月14日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】サッカーのワールドカップと予想より温暖な気候となった今年の冬の影響で、先月商店の売上げが軒並み減少したのを受けて、早くも在庫一掃の大売出しが開始された。
サッカーのW杯が営業時間と重なったため、閉店を余儀なくされたショッピングや商店はその分売上げが減少した。閉店は従業員のテレビ観戦もさることながら、国をあげての応援でたとえ開店しても、客の出足は期待できないとの判断によるもの。W杯に便乗せんとしたサッカー関連グッズは、ブラジル代表が早々と姿を消したおかげで不良在庫となっており、商店側では在庫一掃に頭を痛めている。
また売上げが増える記念日が八月第二日曜日の父の日しかなく、それまで販売を増やす好材料がないことも値下げの大売出しを早めた原因となっている。さらに七月は学校の休暇シーズンで行楽やレジャーでの散財が増えることで、消費者の財布が締まる悪状況が重なっている。
いっぽう暖冬で衣服類とくに婦人服の売れ行きはサッパリで、七〇%割引の大売出しも出現している。しかし消費者の反応は冷たく、ある女性は五〇%引きで一五〇レアルになったファッション服を見て、そもそも元値の三〇〇レアルがべらぼうに高かったもので、半額になったとしても買う興味が湧かないと決めつけている。
若者向けファッション服で全国に五〇店舗を有するエルス店は、六月の売上げがW杯のために昨年対比五%の減少となったことから、例年よりも一週間早く二十九日から割引セールを開始した。最高割引は五〇%になっている。ショッピングセンター・プラザ系列の七〇〇店のうち、四〇%のテナント商店も二〇%から五〇%のセールを始めた。これらは他に先がけてセールを始めるのが鍵だとして、少しでも六月の売上減をカバーしたいと意気込んでいる。