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議員130人が係争中=あの手この手で有罪免れ
2006年7月14日(金)
【ヴェージャ誌十二日】上院および下院の国会議員五九四人のうち二二%に相当する一三〇人が刑事訴訟で係争中との驚くべき事実が明らかになった。しかも選挙違反などの政治犯罪のみではなく、誘拐や暴行、詐欺、犯罪組織結成などの一般犯罪の罪に問われていることで、二重の驚きとなっている。なかには殺人罪に問われている議員もいる。
ヴェージャ誌の調べによると、これまで九十四議員が一五〇件の罪状で最高裁の審査を受けているが、さらに少なくとも四十四議員が摘発されるとみている。これらは保健省を舞台としたいわゆる救急車スキャンダルで賄賂を受け取っていた議員らで、検察が秘密捜査としたため、疑惑議員の名前を明らかにしていない。このためさらに増える可能性もある。
国会議員を裁くのは最高裁に限られており、軍政から民主制に移行した現在まで、裁判で有罪となったのは皆無である。議員らはあの手この手を尽くして最終的に証拠不十分に持ち込み、お蔵入りの勝訴にしてしまうのだ。古くはマルフ元サンパウロ市長の不正資金、最近ではパロッシ前財務相の疑惑の審査が一向に進展していないのが典型的な例となっている。