PCCに内部分裂の兆し=服役囚らが命令拒否=暴動後のフォローがない
2006年7月18日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十六、十七日】州都第一コマンド(PCC)が五月の一連の襲撃事件に続いて再度活動を始め、サンパウロ州当局が警戒を強めている中で、刑務所の服役囚らがPCC幹部の発する暴動の指令を拒否する動きが出ている。これまではPCC幹部の指令は絶対的で、服従を拒否すると死の制裁が待ち受けていたが、ここにきて組織の内部分裂の兆しが見えてきた。
当局では命令系統の崩壊という結論を出すのは時期早尚との見方をしているものの、下部構成員や一般囚人(PCCに属さない)が幹部に対して不満を抱き始めているとの認識を深めている。これにより当局は幹部が獄中内で取り仕切っている組織の統制を一気に崩していきたいとしている。
当局がつかんだ情報によると、PCC幹部らが新設されたパラナ州のカタンドゥバ連邦刑務所に移送されるのを阻止する目的で、新たに刑務所暴動の指令が出されたものの、今日現在までこれが実行に移されていない。
五月の襲撃事件と同時にサンパウロ州内一四四の刑務所のうち七四カ所で、PCCの命令により大暴動が発生したが、これは各刑務所に散らばっていた七〇〇人以上の幹部をプレジデンテ・プルデンテ刑務所に集中して一堂に収容したのを不満としたものだった。暴動の停止命令を出すに当たり、幹部らは当局と有利な条件で談合したとみられている。(サンパウロ州知事および当局は否定している)。今回は柳の下の二匹目のドジョウを狙ったもの。
当局は囚人らの拒絶反応を調査中だが、背景に先月十六日から十七日にかけて発生したアララクアラ市刑務所の暴動が原因とみている。
この暴動囚人らはPCCの命令のもと、施設を破壊した上で寝具マットをすべて焼き払った。しかしこれにより中庭での生活を余儀なくされ、超満員でスペースがないため時間の交代制で横になる破目になった。PCC幹部に当局とかけ合うよう要請したものの、幹部は何もしなかったと伝えられている。また面会や差し入れ禁止処分となったことで家族の不満も募っている。
囚人の一人が家族に宛てた手紙によると、PCCの法令(オキテ)を順守して暴動を起こしたのに、幹部に見棄てられたとし、我々は苦しんでいるのに幹部らは優雅なムショ暮らしをしているとの怨念が綴られている。その上で「囚人すべてが二度と蜂起(暴動)しないと誓い合っている」と伝えている。