2006年7月18日付け
「祭り」をテーマにした県連(松尾治会長)主催「第九回フェスティバル・ド・ジャポン」が十五日、ジャバクアラ区のイミグランテス展示場で開幕した。初めての二週末開催となった今回のフェスティバル。初日の十五日は来場者の出足が伸び悩んだが、テレビ等で放映されたこともあり、二日目の客足は順調に推移。ジルベルト・カサビサンパウロ市長、サンパウロ州関係者も会場を訪れるなど、行政側の関心の高さをうかがわせた。二日間の来場者は約三万五千人(主催者発表)。好天にもめぐまれ、芸能舞台の観客席は大入りの満員。郷土食ブースにも終日長い列ができた。二週目は二十二、二十三両日、同じくイミグランテス展示場で実施される。
初日午前の開会式には、西林万寿夫在聖総領事、ワルテル・フェルドマン連邦下議など日伯の関係者に加え、上原幸啓文協会長など文協関係者、来伯中の後藤博子参議院議員らが来賓として訪れた。
加藤恵久実行委員長は、日本移民九十周年を記念してはじまったフェスティバルが「年毎にブラジル社会で大きな存在になりつつある」とあいさつ。関係者に謝意を表すとともに、百周年に向けてより大きな役割を果していくと述べた。委員長は、同イベントがブラジル社会の発展に果した重要性を強調するとともに、コチア産組を例に挙げ、その土台には長年にわたる日本移民の農業分野での貢献があると語った。
三度目の来伯、自身もマナウスへ三年間の移住経験をもつ後藤議員は、「今日はフェスティバルにおめでとうを言いたくてやってきました」とあいさつ。自身が事務局次長をつとめる日伯議員連盟の活動を紹介した上で「二年後の百周年に向け、日本とブラジルがもっと発展するよう議連としても努力していきたい」と述べた。
来賓一堂による鏡割りで無事開幕。四日間にわたる今年のフェスティバルがはじまった。
◎食ブース――――――――
今年も人気の郷土食
四十県人会、七日系団体が出店した食ブース。初日は来場者の出足が伸び悩んだものの、二日目は大勢の人が列を作った。
今年も各県人会恒例の郷土食が並んだ。やはり、ヤキソバやてんぷらの人気は高いが、「お国の味」も負けてはいない。中でも香川の讃岐うどんは、二日目の午後には用意した千二百食を売り切ってしまう盛況振り。
和歌山の関西風お好み焼きにも長い列。二日で二千食以上を売上げた。木原好規会長は「目標は五千食」と意気込む。
北海道のニシンも、用意した一千尾が売り切れる勢い。二週目も一千尾を用意するという。
徳島では、徳島らーめんなど、今年も母県の徳島ブラジル交流協会から送られた地元名産を販売。「四百点くらいですかね」と原田昇会長。
第一週だけ販売した長崎ちゃんぽんは千五百食。京都のみたらしダンゴは千五百本、熊本は百四十キロのからしレンコンを用意したという。
そのほかにも、高知のたたきや姿寿司、かぼちゃと味噌で味付けした山梨のほうとう、大分のだんご汁、新潟の笹ダンゴ、奈良の柿の葉寿司、鳥取の大山おこわなど、素朴ながらも、年に一度の郷土の味を楽しみに訪れる人もいたようだ。
◎芸能――――――――――
にぎわう舞台、大きな拍手
今年も会場中央に設けられた舞台では、郷土芸能や歌、踊りなど終日さまざまな演目が披露された。
日本から来伯中の歌手、井上祐見さん、中平マリコさんは土、日ともに出演。着物をアレンジした衣装で登場した井上さんは、「祭り」や「お祭りマンボ」など、イベントのテーマにあわせた曲も披露。自然と手拍子も起るにぎやかなステージだった。
中平さんは、「島唄」など人気の曲や、ブラジルの曲など数曲を披露。ポルトガル語の歌詞で歌われる曲には大きな拍手が起り、会場の声に応えアンコールも。
このほかにも、県人会の踊りや民謡、空手のデモンストレーション、太鼓、YOSAKOIなど次々と舞台が続く。二日目に行われた広島神楽「八岐の大蛇」では、舞台の前に神話の内容をポルトガル語で説明。巧みなおろちの動き、コミカルな老夫婦の演技などに会場から大きな拍手が上がった。