ニッケイ新聞 2006年7月20日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】サンパウロ市で起きた両親殺しの主犯格のスザネ被告と実行犯のクラビーニョス兄弟の裁判の第二回公判が十八日、前日に引き続き行われた。
この公判でスザネ被告の実弟アンドレアさん(19、学生)が証言を行った。実弟は両親が殺害されて以後、沈黙を保ってきており、公の場で証言を行うのは初めて。
証言の中で実弟は、両親を失って心理的に最大の被害を受けたとして三被告に憎悪の目を向けた上で、姉のスザネ被告の供述は嘘だらけだと決めつけた。
その上で拘留されているスザネ被告に同情し、会いたいとのメモを実弟が渡したことについて、スザネ被告が指図して文面を送りつけてきたもので、無一文で弁護料も払えないことから一生刑務所暮らしで終わると泣きついてきたとし、心情的な脅迫だったと証言した。
さらに、縫いぐるみ人形の中に隠していたピストルは実弟のものだとスザネ被告が主張してきたのは「真っ赤な嘘で、姉の所持品だ」と明らかにした。
また両親とくに父親は品位のある人物で、姉が言うように子供に暴力を振う行為は一切なかったと証言した。その上でクラビン兄弟と付き合ってから麻薬常習者になったとつけ加えた。
実弟への尋問は三時間余に及んだが、関係者はスザネ被告に不利な証言が多く、陪審員の同被告に対する心証を悪くしたとみている。公判ではほかに四人が証言した。