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「移民」をもっと知ろう=州立博物館見学へ=ベテラン日本語教師ら勉強会=「アマゾンの読経」も鑑賞

ニッケイ新聞 2006年7月20日付け

 JICA日本語教師本邦研修生OB会による、第二回じっくり勉強会が、十五日から四日間開催された。最終日の十六日には教師たちがサンパウロ市モオカ区のメモリアル・ド・イミグランテ(州立移民博物館)を見学。岡村淳さんを迎えて「アマゾンの読経(第二部)」を鑑賞した。参加した教師からは、勉強会も含め「教師としても、移民としても知っておくべきことだと実感しました。参加してよかった」と充実の声が聞かれた。
 「日本語教師といえど、日本語だけでなく移民史も知っていたほうがいい」と企画された移民博物館見学とドキュメンタリー鑑賞。遠くはミナス州やパラナ州クリチーバから集まり、一般の人も含め三十七人が参加した。
 博物館は、サントス港の鉄道引込み線から移民が輸送され、配耕地に向かう前、集団で一時滞在したところ。事前に下見をしていた教師が日本語で博物館の歴史を説明。当時を再現している蒸気機関車にも乗車した。参加者の三分の二は一世だが、戦後移住者がほとんどのため、機関車での移動を経験した者はいない。「建物を見たときには『あ~』と思い出したけど」と昔の記憶をたどりながら、移民史の知識を深めた。
 一般で参加した佐々木大介夫妻は「自分たちだけではなかなか行かないからいい機会になった」と笑顔。「サン・ジョアキンの(日本移民)史料館なら行くこともあるけど、メモリアルまではきっかけがないと行かない。ブラジルの歴史も勉強しとかないと」と教師の中田みちよさんはその意義を話す。
 本邦研修修了者で形成される同会は、ベテランの教師が多く占めるが、今回の勉強会には二十代の若手四人が参加。
 日本文化を知ろうと、陶芸家を招き、陶芸を実践。翻訳や発表などを中心にした参加型の学習形式に参加者は「満足」。「面白かった」という感想が多く聞かれた。
 閉会式に訪れたセンター教育担当理事の佐藤吉洸さんは、「様々な角度からの視点を持つことが大切です」と、マンガやアニメも例にあげ「日本語のことだけでなく、いろんな話を生徒とできることで心が通じ合うようになる」と勉強会を締めくくった。