【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日、二十一日】二〇〇三年十一月にサンパウロ州エンブ・グアス市でキャンプをしていた若い恋人のカップルが殺害された事件の裁判が二十日、同市地裁で行われ、被告三人に有罪判決が下された。
そのうち一人は被害者の女性を監禁した上で強姦した罪で一二四年、もう一人も同罪で四七年三カ月の重犯罪法が適用された。三番目の被告は殺人凶器の隠とくによる殺人ほう助罪で六年の懲役となった。
一味五人はすべて逮捕されているが、主犯格で女性を殺害し強姦殺人罪に問われている未成年と、男性を殺害して女性の強姦に加わった準主犯格の男の裁判は後日行われる。
起訴した検察は、今回の判決で重犯罪の最高量刑が適用されたことに満足の意を表し、準主犯格の被告にもさらなる重刑の判決を期待している。
ただ主犯格の少年は精神鑑定で精神不安定および激情しやすいとの結果が出ており、これが争点になるとみられている。さらに重犯罪は禁固が三十年と法律で定められており、この間に特赦で量刑が軽減され、条件次第では仮釈放が適用されるため、法律の見直しを求める声が挙っている。これにより死刑はもとより終身刑は事実上ないに等しい。
事件は二〇〇三年十一月三十一日(土)に同市の空地にキャンプを張った当時、十九歳の男子学生と十六歳の女子学生が五人に拉致された。
男子学生は翌日、準主犯格の男にピストルで射殺された。五人はその後二日間にわたり女子学生を監禁、全員で性的暴行を働いた末、主犯格の少年が包丁で数回にわたり刺して殺害した。
被害者二人は誰にも告げず内密にキャンプに行ったため、行方不明の後の殺人事件として世間の注目を浴びた。一味の非道が判り世間を震撼させた。