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管理革命真っ只中のブラジル=政治家にも必要な調整能力

2006年7月26日付け

 【ヴェージャ誌一九六三号】知識階級を自認する人のほとんどが、世界は最高権力者と巨万の富を握る一握りの富豪によって管理されていると思っているらしい。それは専門教育を受けた管理職に対する侮辱ではないかと、ハーバード大学のカニッツ教授が苦言を呈する。知識人は、二〇世紀に確立された管理革命をご存知ないのだ。管理革命の成果により、マルクスが資本論で唱えた経営者階級は、事実上敗退した。
 管理革命の詳細については、ドラッカーの著書を一読されたい。南米の知識階級はドラッカーを知らないし、知ろうともしない。ブラジルは遅ればせながら、その管理革命の真っ最中といえる。世界の会社経営者は二〇世紀、無血革命によって交代させられた。会社は、経営者から専門管理職の手に渡った。
 現代史の主役は、まさに専門管理職なのだ。管理職は顧客と資材供給者、株主、労働者、環境団体、NGO、政府の間で意見の調整に精通したプロである。かつて経営者であった大株主は、全ての権限を管理職に委ねたのだ。
 そこで生まれた新しい概念が、株式会社の設立と株式公開・上場なのだ。数多の株主が、社会資本を経営者ならぬプロの管理職の手に委ねた会社へ投資しているのだ。この管理革命の旗手は、会社経営に人間性と社会的責任を加え、顧客や労働者、資材供給者の存在意義を高めた。
 会社の目的は社会貢献である。株式の大部分を握る一族のための奉公でも国家への犠牲でもない。管理職には右翼も左翼もない。資本家の味方でも労働者の味方でもない。会社に関係する全ての人間の利益だけが、関心事なのだ。
 これまでの経済学者や知識人の常識とは反対に、管理職にとって利益は至上命令ではない。大学の経済学部で叩きこまれた組織的に儲ける経営管理のこだわりや、株主に最低の配当率を保障する義務はない。過去のものとなったのだ。
 株主と労働者、顧客、資材供給者、政府は自分の権利を主張してカンカンガクガクの衝突を繰り広げる。その仲介者として嵐を鎮めるのも、管理職の政治的技量といえる。セクターの一部が度を超えて他に圧力を加えるのなら、会社の協調性は崩れ、成長は止まる。
 政府が圧力を加える公団やヴァリグのような国策会社、労働者が強すぎるメーカー、一族が絶対権を持つ同族会社などが、その類である。ここで管理職は、覇権主義のセクターに立場をわきまえるよう押し留めねばならない。
 専門管理職とは政治家であり、指導者であり仲介者であり調停者なのだ。事業の成功に無理は禁物ということを説得しなければならない。管理手腕のある政治家とは、国会を騒がせている議員とは反対のタイプである。もっとマシな政治を行ってもらうため、有権者は管理に精通した政治家を選んで欲しい。
 管理手腕がある政治家を二五七人選んだら、ブラジルは素晴らしい国になる。ブラジルの歴史に残る政治改革の年になる。ブラジルをダメな国にするか、理想の国にするか三カ月後に決めなければならない。

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