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有力2候補の差縮まる=大統領選=アウキミン候補上昇=決選の場合差は9ポイント=拒絶票増えたルーラ候補

2006年7月27日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】大統領選の行方を調査するIbope調査会社は二十五日、候補者のルーラ大統領(労働者党=PT)が四ポイントを下げ、アウキミン前サンパウロ州知事(ブラジル民主社会党=PSDB)が八ポイント上げたため、差はわずか一二ポイントに縮小したと発表した。アウキミン候補は一カ月半前に行われた前回調査の一九%から二七%へ大幅にせり上げた。ルーラ候補は、四八%から四四%へ下げた。決選となった場合、現時点での両者の差は九ポイント。あと四・五ポイントを追い上げると拮抗することになる。浮動票はまだ三八%もある。
 調査は七月二十二日と二十三日、全国一四二都市で二〇〇二人に行った。ルーラ大統領が第一次投票で当選する可能性はあるが、黄信号が点滅し始めたことに違いはない。ルーラ支持の陰りは決選の序曲か。
 アウキミン候補の伸びは、六月にテレビ放送が始まってから好調となった。同候補の弱点をいうなら、演出が今一であることと、北東部地方で説得力がないことだ。同地方は両候補の選挙概念が分かれる典型的地域でもある。
 調査から分かることは、アウキミン候補の実力が見え始めたこと。この調子が保てるなら、決選は見ものである。同候補はセーラ氏の票田から五四%を獲得した。さらにルーラ票から一六%を奪った。ルーラ候補も前回支持票の五九%は堅持し、セーラ票から一七%を奪っている。
 両候補の支持者層は、判然としている。ルーラ候補の支持層は低学歴が六七%高学歴は三四%。アウキミン候補は低学歴が二四%、高学歴が四九%。所得層で見ると、最低賃金以下の所得者は六八%がルーラ。二一%がアウキミン。最低賃金の十倍以上の所得層は二二%がルーラ。六〇%がアウキミン。
 政権評価では、評価するが四四%から三九%に落ちた。評価しないが一九%から二三%へ増えた。裏金疑惑が確認された二〇〇六年一月、政権評価が下り坂に入った。サンパウロ州の治安では、前サンパウロ州知事よりも連邦政府の対処遅れのほうで国民の批判が大きい。
 決選投票のシュミレーションでは、アウキミン候補が二九%から三九%へ一〇%も飛躍する。ルーラ候補は五三%から四八%へ落ちるが、まだ現時点では優勢だ。六月調査の時点では両者の差が二四ポイントあった。それが現在一一ポイントに縮小ということは、アウキミン候補が六ポイント上げれば勝てることを意味している。
 ルーラ候補の弱点は、一次から決選にずれ込むと四ポイントしか上積み票を集められない。アウキミン候補は三倍の一二ポイント。これは一次で落ちた候補者の票がアウキミン候補へ流れ、投票総数で四〇%が集まる計算。ルーラ候補はそうはいかない。
 もう一つ悪いのは拒絶票である。アウキミン候補の拒絶票は三四%から一七%へ減った。ところがルーラ候補は二八%から三二%に増えた。それからルーラ候補の泣き所は女性にもてない。女性有権者にルーラ候補は泣かされる。