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スピード違反の罰則緩和=免許取消しは制限50%超=市民の間では賛否両論

2006年7月28日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】自動車のスピード違反に対する罰則が二十六日から緩和された。先に下院で議決された国内道路交通法の改正案をルーラ大統領が裁可したことで実施の運びとなった。
 改正法の目玉はこれまでスピード制限の二〇%以上のスピード出し過ぎは最高の罰金と免許取り上げとなっていたが、これを五〇%以上に緩和した。また、国道や州道の規制はまちまちだったが、これを市内道路の規制と同一とし、全国に適用した。
 これまでの道交法では速度違反を二つのカテゴリーに分けて、二〇%までの速度違反を過度として一二七・六九レアルの罰金、二〇%以上を超過度と位置づけて五七四・六二レアルの罰金に加え免許取消し処分としていた。
 今回の改正法ではこれを三つの段階とし、二〇%までは平均と位置づけて八五・一三レアルの罰金(ならびに減点四ポイント)、二〇%から五〇%までが過度として一二七・六九レアルの罰金(減点五ポイント)、五〇%以上が超過度として五七四・六二レアルの罰金と免許取り上げとした。
 法案を上程したアルブケルケ下議(ブラジル社会党=PSB)は、これまで交通局は違反防止を棚に上げて、罰金産業と呼ばれて悪評を買ってきたが、三段階に分けて罰則を緩和することで、国民は納得するだろうとの見解を示している。
 いっぽうで交通局関係者は、これにより事故が多発することを懸念している。例えば国道のアニャンゲーラ・バンデイランテス道は速度制限が時速一二〇キロだが、超重度罰則の五〇%以上になると、時速一八〇キロとなる。これは容易に事故につながると指摘している。
 市民の間では賛否両論があるが、スピード違反防止には標示を大きくする根本姿勢が欠けていると指摘する声が強い。市内の平均スピードは時速六〇キロから八〇キロだが、特定減速区域になると四〇キロになる。これに対し手前での予告標示がないことから、気がつかずに走り抜けて罰金を食らう破目となる。また速度を落すために急ブレーキをかけて、追突された例もある。