【リオデジャネイロ】宮森精一さん(元コチア産組リオ単協主任、元リオ州文化体育連盟事務局長)が、さきごろサンタクルス市での碁会で対局中、碁石を握り締めながら、碁盤に顔を伏せるようにして死去した。七十八歳だった。一言も発しないで、痛みや苦しみを訴えることなく、意識を失ったまま逝った。
その日(去る六月二十七日)、「碁の月例友情会」が、同市簀戸進さん(元コチア産組リオ単協理事長)宅で行われていた。対局者によれば、宮森さんは劣勢から優勢に転じようと、懸命に手を読んでいたが、その手を打たず、旅立ったという。有段者・宮森さんの碁は「他人を喜ばせながら、自分も楽しむ」といった風で、人気があった。そうした碁風が性格にも反映されて、コチア産組組合員から尊敬されていた。
六一年、コチア産組職員、バタタ販売部を経て事務部へ、最後はリオ単協主任。勤務歴三十年余り、コチア産組に人生の半分を尽くし切った。リオ州文体連には約五年間勤務した。
リオには久笑会と呼ぶ親睦会があり、そのメンバーだった。月例会にはほとんど欠かさず出ていた。葬儀の席に同会からルッショな花輪が贈られた。またリオ在住のコチア青年たちが全員駆けつけ、宮森さんの生前の功績を称え、冥福を祈った。 (中村博幸さん通信)
碁打ちながら=リオの宮森さん=静かに死去
2006年7月28日付け