三十日にサンパウロ市の「ヴィア・フンシャル」で開催される「第四回ブラジルYOSAKOI祭り」。本番まであとわずかに迫り、サンパウロ市から遠く離れたバストスでも、「バストス婦人会」が最後の仕上げを進めている。
バストス文化体育協会の婦人部で構成された同婦人会は、最低年齢五十二歳、最高年齢七十四歳の平均年齢六十一才の〃熟年〃チームだ。
今回で三回目の参加となるが、昨年の「第三回大会では、審査の規定(新しい振り付けでYOSAKOIソーランを踊ること)を知りながらも、周囲の期待に応えるために前回大会と同じ振り付けで踊り、審査対象とはならなかった。
第四回目の開催となる今回の参加を決めた理由は、「ほかの参加チームが『バストス婦人会』の演技に勇気づけられてほしい」から。
チーム代表を務める鶴・西・リジアさん(55)は、祭りの良さを「賞が貰えなくっても、踊ることで健康と若々しさを保つことができること」、また「子どもと大人が団結できること」と話す。
「なんぼ二世でも三世でも日本人としての血が流れているんだから、日本人としての誇りをもって日本文化を若い子たちにも伝えていかなければ。私たちのチームを見て『私たちもできるんだ』って、他にも同じ世代の踊り子が増えてくれたらうれしい」とYOSAKOI祭りを通し日本文化を子孫に伝えてゆく大切さを話してくれた。
年齢層の高い同チーム。鍵をにぎるのは振り付け師の光石美佐子さん(69、二世)だ。
「この年でYOSAKOIはムリ(テンポが速いから)」というメンバーの声を聞き、一度考えた踊りを変更するなど、年齢にあわせた踊りを一生懸命考えた。
光石さんは、三〇年代にリンスで設立された劇団「伯光團」の主宰者、故・尾上菊昇さん(芸名)の三女で、七才の頃から母親と一緒に芝居をやっていた。現在は盆踊りや日本舞踊などの指導もしている。「ブラジル日本移民百周年音頭」の振り付けを考えたのも光石さんだ。
今年は十二月末から練習を始めた。衣装も光石さんが考えた。「ハッピを着るチームが多く変わり映えしないのはつまらないこと。今年の(バストスの)衣装は変わってますよ」と光石さんは言う。
また今回は、よさこい祭りの地元、高知県から送られてきたフラフ(大漁旗状で鯉のぼりとともに揚げる)を本番の踊りと一緒に披露する予定。
参加する二十四人と応援者の計五十人は、二十九日の朝にサンパウロ市入りし、翌日の本番に備える。
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「第四回YOSAKOIソーラン祭り」=会場はサンパウロ市のヴィア・フンシャル(ヴィラ・オリンピア区フンシャル街65番)で正午からと、午後五時から。入場チケットは、ニッケイ新聞、サンパウロ新聞、蒼鳳(SOHO)、文協、HAIKAI(ガルボンブエノ街224)で配布している。
第四回YOSAKOIソーラン祭り=他のチーム勇気づける演技を=準備万全「バストス婦人会」
2006年7月28日付け