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大耳小耳

2006年7月29日付け

 「犯罪人引き渡し条約の締結」「代理処罰制度の確立」―を求めた署名獲得運動。さきの日本祭りでは異質ともいえるブースだった。最も広い意味での身内(ブラジル人)が日本で犯罪をおかし、逃げ帰って来る。身内を大切にするブラジル人が、運動の趣意を静かに読み、是々非々をしっかりわきまえ、署名に応じた。下世話でいえば「かくまわない」という意思表示。そんな風景をいくつか見た。文章を確かに理解できる層が多く署名したことになる。これは重い。
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 二万三千レアル。先ごろアラサツーバで開催された全伯相撲に出場した北伯パラー州代表団の遠征費用だ。同チームからは今回、選手二十四人をはじめ監督、応援など総勢三十四人が同地を訪問。バスで三日間かかったという。費用は参加者個人のほか、地元からの支援でまかなった。「いつもお金の工面で大変です」と関係者。それよりも、大きな選手が狭い車内で過ごす様子を思い浮かべると、こちらの方も大変。
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 九〇年代前半、映画『男はつらいよ』コロニア編を求める署名運動が行われ数千人が協力したが、寅さん役の渥美清が飛行機恐怖症だったとかで実現しなかった。やはり九〇年代後半にはアクション俳優の千葉真一さんが、ブラジル移民を主役にした一大巨編を作ろうと奔走し、配役まで発表したが結局頓挫してしまった。次は『釣りバカ日誌』で浜ちゃんとスーさんにアマゾン川でピラルクを釣ってもらうのは――との噂もあったが、とくに音沙汰なし。今回の『ワイルドソウル』で一気に、ブラジル移民が主人公に踊り出るか。