テレビや娯楽が豊富な国に住むのが「幸福」と思う人もいれば、そのような文明の利器を拒否し自然との共生を楽しむ。そんな自由派も多い。英国のある調査会社が選んだ「世界の幸せな国」によると、第一位は南大平洋に浮かぶヴァヌアツと決まった。選択の基準は、天然資源を余り使わないで幸せに長生きできることだそうだが、これだと大量の石油を使うアメリカは駄目であり、所謂―文明大国は失格する▼地図を開いて見ると、ヴァヌアツは紺碧の空と澄み切った海にある島々からなる奇麗な国らしい。晴れた日には魚でも獲り雨が降れば休養という暮らしだろうが、こうした平凡な日々を最高とする人は意外に多いのかもしれない。とりわけストレスがたまり過ぎる今の世ならばなお更である。朝起きればテレビに始まり昼も夜も携帯電話で終ることのない話を続けていれば、自然派がいっぱい出てきても決しておかしくはない▼この島嶼国はあまり豊かではない。国民1人あたりの国内総生産量GDPは2900ドルほどでアメリカの約13分のⅠだが、こんな金銭よりも自由を尊ぶ気風が強いのに違いない。調査会社では100点を満点としヴァヌアツは68点と少しで第2位はコロンビア、3位はコスタ・リカ、4位がキュ―バと中南米が頑張っている。最下位は178番目のジンバブエだし我が日本は99位に入ってる▼アメリカは何と150位なので余り誉められないけれども、ロシアはもっと低くて172位と最悪。仏は129位でカナダも111位と低調なのが、ちょっとばかり気にはなるけれども。 (遯)
2006/08/01