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市内各所で整備工事中断=請負業者が投げ出す=美観損ね、渋滞や事故招く

2006年8月2日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】市長や州知事が選挙公約に揚げて華々しく始める市内整備工事が完了しないまま、いつの間にか放置されているのが市内の随所で見られる。中には資材や機材を放りっぱなしにしたままで、市内の美観を損なうとともに、市民の通行の妨げや交通事故の原因となり、苦情が絶えない。
 この背景には不正入札で落札した請負業者が資金繰りに行き詰まり、工事を投げ出すケースも多々ある。長年にわたり工事が完了しないのもあれば、サンパウロ市南部カポン・レドンダ区のように六〇年代に改修が市長裁可されたにもかかわらず、いまだに工事が始まらないのもある。
 最も醜態をさらけ出しているのがイピランガ区のかんがい工事だ。ドン・ペドロ皇帝が独立を宣言し、サンパウロ市内の観光スポットになっているイピランガの丘の眼下で行われた工事だが、十五年経過した現在も完了していない。
 セルソ・ピッタ元市長の置土産だが、リカルド・ジェフェー大通りは中央帯と歩道が掘り起こされたままで、渋滞の原因となっている。昨年の雨季には出水で付近の商店や民家が被害にあった。
 モニュメント広場の通りには工事中の標示があるものの、四キロにわたり工事人夫の姿が見当たらなかった。請負業者が人夫の仕事賃を支払わず、工事を投げ出したため。カサビサンパウロ市長は再入札を行い、工事を完了させるとの意向を示している。
 いっぽう北部のリモン橋の補修工事も中断したままで、資材が山積みとなっているため渋滞や交通事故の原因となっている。これも再入札が行われたが、不正が発覚して中止となり、再開のめどが立っていない。
 南部クペセ通りではアウキミン前州知事が二〇〇二年の選挙前に、ジアデマ市を結ぶバスのエクスプレス路線を敷く工事を大々的に始めたが、当選したらナシのつぶてだった。今年の知事選をにらみ、工事が再開されたが、突貫工事で通行止めが相次ぎ、付近の住民や利用者の不興を買っている。