さきにアラサツーバで行われた全伯相撲選手権大会、南米選手権大会の〃台所事情〃をきいた。主催者も参加チームも資金繰りに苦労している▼今大会は、四カ国、十五チーム、選手二百五十人参加、日本の高校選手団特別参加、と数字の上では結果を残した。ブラジルの、そして南米の「相撲の火(あかり)」は、まだまだ消えていない、と意を強くした▼特に、日系選手が非日系選手の「層」に押されて奮わない現状においても、指導者たちは相撲振興のために尽くしている。これは、火を消すまいとする情熱がなければできることではない▼アルゼンチンの非日系選手団は航空機で来伯した。パラグァイ選手団はバスでサンパウロまで来てから大会会場入りした。四十時間あまりバスに揺られ続け試合に臨んだ。パラー選手団は二万数千レアルも旅費にかけた。選手や役員の個人負担は大きかった。リオ・グランデ・ド・スル選手団にしても同様だろう▼費用削減の努力は、細かい部分までおよぶ。ある参加チームは、大会主管団体に対し、参加選手減少分の食費を差し引くよう申し入れをした。これは、事前の連絡がないと断られた。申入れを受けた側も台所事情はきびしく、ぎりぎりまで出費を抑えているのであろう。また、日本選手団の居る前で経費面の〃論争〃もあった。なくもがなだった▼今度、世界大会出場権を得た選手を持つチームは、その遠征費を調達しなければならない。「エラいことだ」と言いながら、また頑張る。(神)
2006/08/04