【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】イタウー銀行が先頃発表した今年上半期の中間決算で史上最高の収益率となったのを始め、各銀行が軒並み黒字を拡大し銀行上位時代となっている中で、破格の業務手数料の徴収が明るみにでて非難が集中している。しかも手数料などは公表されず、いつの間にか口座から徴収されているケースが多く、不透明な部分が多々あることから〃開け放たれた金融業務〃に程遠い有様となっている。全国銀行連盟は各銀行のコストによるものと口を濁しているが、利用者を直撃しており、暴利のそしりは免れない。
銀行の不透明な手数料徴収に対し、苦情が急増している。ある三十七歳の男性(スーパー支配人)はウニバンコ銀行の十四年来の利用客だが、過去十年間基本サービス料が一三レアルだったのが、何の事前通知もなく二〇レアルに値上げされた。このほかシェッケ・エスペシアルの限度枠が増額されたことで五六・五〇レアルを口座から引き落とされた。これまでは月額三〇レアルだった。男性は銀行に抗議、報道機関に事実を明らかにしたことにより、銀行は全額払い戻したという。
いっぽうでイタウー銀行の顧客の男性(25、出版社勤務)は二十三の不渡り小切手(セン・フンド)発行に対し、六三九・八六レアルの罰金を徴収された。リストに載せたため銀行独自の罰則を適用したと説明した。これも長期間モメた末に減額に成功した。
金融関係筋は中銀で規制された以外の銀行独自のものは法的効力がないので、不審な点は突き止め、根強く抗議すべきだと忠告している。
金融アナリストの試算によると、二〇〇一年から〇六年にかけて銀行手数料の平均十件のうち九件がインフレ率以上の値上げとなった。金融機関のこの期間の平均値上げは三八四%に達し、インフレ算出の基となる広範囲消費者物価指数(IPCA)の五〇・六%をはるかに上回った。
この期間の個人消費は四八・五%の上昇にかかわらず、銀行の手数料の収益は一二二・〇四%に達し、〇二年の時点での手数料の全利益に占める割合が九%だったのに対し、二〇〇六年は一四%となり、利益源にのし上がった。これまではインフレを利用した資金回転がもうけの元となっていた。
手数料で最も大幅値上げを記録したのは、他支店での預金(転送手数料)で〇・〇七レアル(〇一年)から一・九〇レアル(〇六年一月)で、二六一四%だった。以下順に融資の延長(二〇・四五レアルから二三九・八一レアル、一〇七二%)、新規融資(三二・八三レアルから三六七・二三レアル、一〇一八%)口座開設(一・七五レアルから一三・九一レアル、六九四%)などとなっている。
手数料の種類のランキングでは、連邦貯蓄銀行の四六(〇一年は四一)がトップで、以下ノルデステの四五(同四〇)、ノッサカイシャの四四(同三八)、ブラデスコの四四(同三七)、サンタンデルの四四(同三五)などとなっており、収益を上げるために種類を増やしているのが一目瞭然の様相を呈している。
この期間に手数料を値上げした件数の銀行ランクでは、ブラデスコの三二件、以下ノッサカイシャ(二九)、HSBC(二八)、サンタンデル(二七)、CEFおよびイタウー(二五)、ウニバンコ(二三)となっている。
銀行手数料への苦情急増=不透明な部分多く=知らぬ間に口座引き落とし=不審な点は根強く抗議を
2006年8月4日付け