スポーツ報知によれば、また日系を主人公にした映画が日本で製作される。前回は日系ブラジル二世を主人公にした小説『ワイルド・ソウル』の映画化だったが、今度はアメリカ犯罪史上に残る日系マフィア、ケン・エトー(享年八十四歳)の波乱の一生を描くドキュメンタリーだという。「東京ジョー」の異名をとり、賭博家業に明け暮れたあたり、どことなく笠戸丸移民で〃天才ばくち師〃といわれたイッパチ(儀保蒲太)を髣髴とさせる。少々違うのは、マフィアの裏切りで、至近距離から後頭部に銃弾三発を受けながら一命をとりとめるなどの奇跡的実話の数々か。来年に公開予定。
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二十八回目を迎えたカルモ桜祭り。実はこの回数は、桜の苗を植えた年から数えたものだそう。最初は食事を持ち寄り、演芸会などを催したという。ヒマラヤ、雪割と年ごとに桜の種類も増え、現在園内の桜は約千五百本。毎年五十本を新たに植えている。地元文協で作る植樹委員会は全てボランティアだ。年に一度の祭りの純益で、肥料や消毒、剪定など一年の費用をまかなう。今ではサンパウロ市の風物詩となった桜の樹。そこに、故人を含めた多くの「桜守」の物言わぬ努力があることはもっと知られていい。
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サンパウロ州イビウナ市にある野球アカデミーには現在、十四歳から十八歳までの約五十人が入寮している。全寮制。創設当初はほとんどが日系だったが、今は非日系と同じ割合になっているという。コロニア野球の風景も移り変わる。とはいえ、アカデミーの基本精神「しつけ」と「礼儀」は変わらない。日系と非日系にかかわらず「お願いします!」と必ず言うのが基本だとか。
大耳小耳
2006年8月8日付け