【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】保健省を舞台とした救急車汚職に関与したとされる疑惑議員が九〇人以上に上り、日毎に新しい事実が明らかになる中で、今度は科学技術省内で同様の汚職での議員マフィアが暗躍していたことが明るみに出た。
告発したのは救急車汚職を調査しているCPI(議会調査委員会)の予備報告書作成担当のガベイラ下議(緑の党=PV)で、科学技術省が推進しているデジタル導入プログラムの一環として、コンピューターを搭載したバスを不正購入して賄賂を受取っていたというもの。
しかもバスのメーカーは、救急車を不正販売していたプラナン社そのもので、根は一本で繋がっていた。背景を捜査している連警によると、プラナン社は救急車販売が底をついたと見て見切りをつけ、バスに情報機器を取り付けて科学技術省に取り入ったとみている。
ガベイラ下議の告発によると、与党連立政権のブラジル社会党(PSB)が党ぐるみで汚職に関与していたという。同党は連立政権となることで二〇〇三年一月から〇五年七月まで二人の大臣がポストを占めた。このため同省内はPSBの派閥で占められ、人事も独占されていた。これを良いことに議員や党に割り当てられる国家予算の使途を同省内で消化していた。
デジタル導入プログラムに党予算として一億五四〇〇万レアルを計上、さらに三〇人の議員のうち一六議員が個別に総額二億レアルを計上、このプログラムの一六%を占めた。中でもバルタザル下議は二六八万レアルの予算交付を実現させ、架空の機関名義で二台のバスを購入させている。
オーバーインボイスされたバスは一台七〇万レアルで売られ、同下議員は見返りに賄賂を受取っていた。二台のバスは使用されないまま、リオデジャネイロ州ヴォルタ・レドンダ市の民間バス会社の車庫に隠されていたのが発見された。同下議は救急車汚職で疑惑議員として追及されている九〇議員のうちの一人だ。
告発したガベイラ下議は、二人の元大臣をCPIに召喚して解明するとの意向を示している。アマラル元大臣は党副総裁で、今年のルーラ再選の選挙参謀となっている。もう一人のカンポス元大臣はこの総選挙でペルナンブッコ州知事選に立候補している。
今度は科学技術省が舞台=救急車汚職=バス不正購入で賄賂=PSBが党ぐるみで関与
2006年8月9日付け