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襲撃対策に陸軍の出動認める=知事3候補、治安対策に意見=サンパウロ州

2006年8月9日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙八日】三度目となった犯罪組織州都第一コマンド(PCC)の襲撃事件を受け、十月に行われるサンパウロ州知事選の有力三候補は、フォーリャ紙のインタビューに応じ、同州の治安対策についてコメントした。
 危機に瀕する治安状況の短期的改善策について、知事選で最も有利とみられるセーラ候補(ブラジル民主社会党=PSDB)は、「敵は司法当局でも州政府でも連邦政府でもなく、犯罪組織だ。犯罪組織の捜査を徹底し、資金源を断ち、最高警備を備えた刑務所を新設することが必要」と答えた。
 同じ質問に対しメルカダンテ候補(労働者党=PT)は、「刑務所の秩序維持に加え、襲撃目標の警護に国軍を利用すべき。PCC幹部の連絡網を断ち、孤立させる。襲撃の主犯逮捕に全力をあげ、資金源を追及すること」、クエルシア候補(ブラジル民主運動党=PMDB)は、「州保安局が対策を取るべき。現在保安局と刑務所管理局があるが、一つに統合すること。連邦政府の協力を要請し、裁判所と検察庁の対話も行うべき」と答えた。
 また、三人ともあり方や方法に差はあっても、連邦政府の支援を受け入れ、陸軍の出動も認める点で考えが一致し、襲撃を恐れないと事件に対する強い姿勢を示した。
 メルカダンテ、クエルシア両候補の選挙陣営は襲撃事件当日、今月十六日から始まるテレビ・ラジオでの政見放送に利用するため、事件に対する州民の不満を街頭で収録した。前サンパウロ市長で、前知事と同じ党のセーラ候補は今回の襲撃が前回と比べ規模が小さくなっているとし、警察の対策が進んでいると遊説先のサンパウロ市北部で述べた。