地球環境を維持できるか=文明と自然の関係再検証を
2006年8月9日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】南太平洋のヴァヌアツ諸島が世界一の楽園にランクされ、世界から注目された。島民はほとんどが漁師と農民で、所得はブラジルから見れば微々たるもの。しかし、みんな幸福感に浸っているというのだ。調査はニューエコノミック・ファンデーションが行った。
同じ基準で比較すると、ブラジルは六五番目に入る。しかし、ヴァヌアツ諸島は世界一気象の変化が激しいことを計算に入れていないらしい。地球環境の専門家なら誰でも知っているが、同地域の島々は温暖化現象により、いつ海底に水没するか分からない恐怖の島々である。
気象の変化による災害は、何度も警鐘を鳴らすが解決不可能な問題らしい。温暖化対策には莫大な費用がかかるが、効果はゼロに近い。ヴァヌアツ諸島の生活水準は、ブラジルから見れば知らぬが仏の貧しさで、現代文明の外にいる社会である。アダムとイヴが幸福であったかは、次元の違う話といえそうだ。
九十五カ国から一三〇〇人の環境専門家が二〇〇五年、リオデジャネイロ市に集まり会議を開いた。環境保護の努力は六〇%が徒労という結論だ。異常気象により漁場の消滅や南洋諸島の水没などは、環境破壊の災害から免れないというのだ。
世界の消費は、資源の供給可能水準を二三%超過したという。地球環境保護のためには、消費を二三%減らさないと地球環境は保てないらしい。ブラジルを始め産業は進歩の方向を間違えたようだ。所得の集中化は進み、社会疎外者を生み出し、無秩序が広まった。
「地球環境と人類の未来」と題して技術と生産のロジック、環境破壊との関係を訴える本が発行された。ブラジルは今、電磁波の洪水で溢れている。放射線やテレビ、携帯電話の電波、レーダーなど電波と健康の関係に触れ、進歩について問うている。
文明と自然との関係を再検討する必要がある。リスクとして容認しなければならないものや、もはや後戻りできないもの、人類の自滅に拍車を掛けるもの。見方によれば、経済とは政治の化け物という。人間は、環境に対する責任感の見直しが必要のようだ。
英国の小学校には、幸福という科目がある。人間関係や無気力、無関心、無責任、幸福に暮らせる地球と環境について学ぶ。幸福とはやって来るのを待つのではなく、積極的に求めるものらしい。ブラジルとは価値観が違うから、幸福の定義も異なるに違いない。
物理学者ホーキング氏によれば、環境を破壊された地球はやがて住めない所になるから、人類は他の惑星へ移住するという。候補の惑星も一〇〇以上あるらしい。廉価な宇宙旅行も、理論的に可能らしい。宇宙食品や人間冬眠の研究も進んでいるらしい。移住の準備も着々と進んでいるらしい。ノアの箱舟みたいな納得のいかない話だ。
惑星への移住はともかく、地球環境の保護というファンダメンタルスからは誰も逃げられない。思想や選択の自由といっても、人類は全て限度の範囲で共同生活をしている。国連のアナン事務総長が、人間のロジックが自然に逆行するなら、考えを変えるべきだと警告している。