ニッケイ新聞 2006年8月10日付け
日伯司牧協会(PANIB、青木勲会長)が主催する「第十八回アパレシーダ大巡礼」が六日開催され、全伯から日系人約三千人が、アパレシーダ・ド・ノルテ市のノッサ・セニョーラ・アパレシーダ寺院へ参集し、盛大にミサをおこなった。
一般のブラジル人も大勢参加。手振り用の両国旗が配られたほか、着物を来た日系人女性や半被姿の男性が聖壇に登場するなど、ブラジルならではの「カトリック聖地」の光景が広がった。
同教会が主催するミサは、世界でも例を見ない。関係者の話によれば「ミサに日本人らしい特色を出すこと」を前提にしており、毎回変わった趣向が凝らされる。今回はミサの三部目となる「感謝の典礼」で、可憐な着物をまとった日系人女性が、作物の実りに感謝する「奉納の儀」に登場。「日本にも新嘗祭や神嘗祭があるのと同じ」発想だという。「カトリックのミサは基本的に世界共通。ならば一般のブラジルの人たちにも日本人がミサをしていると一目でわかるために」というのが理由だ。
この他にも、サンゴンサーロ教会の青年部がジーパンの上に法被を着て、聖旗を祭壇に掲げるシーンもあった。参加したブラジル人は、普段教会では決して見ることができない光景に目を奪われた。
「日本移民を受け入れてくれた感謝と親善の気持ちをあらわすため」と、教会入り口で日本とブラジルの国旗が配られた。「感謝の讃歌」では、国旗を横にふりながら、参加者全員で歌い上げた。これも「踊り好きなブラジルの人が、日系人と一緒になってミサに参加するため」のアイディアだという。
ミサ終盤での「交わりの儀」では、隣りに居合わせた日系人とブラジル人が自然に抱擁と握手を交わし、両国の友好親善を深めるシーンとなった。
十八回を迎えた同巡礼。年によっては、日本式に「ビーバ!マリア様万歳」と参加者たちが叫んだこともあるという。
なおアマゾン州テフェー市のドン・セルジオ司教の司式でおこなわれた。福音の朗読や説教がなされ、参加者は熱心に耳を傾けた。
またバスで参加した会員は、持ち寄りの弁当を食べた後、午後は買い物をするなどして観光を楽しんだ。