ニッケイ新聞 2006年8月11日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】十三日に〃父の日〃を迎える商店筋は、久々の記念日とあって売らんかなの姿勢を前面に打ち出しているものの、前評判は今ひとつパットしないのが現状だ。
もともと父の日は、恋人の日や母の日、復活祭(チョコレート交換)の影に隠れ「オヤジにプレゼント?」の感が強かった。たとえ、オヤジ思いの子供がいてもプレゼントは、一昔前はサンダルや靴下、パジャマの類のささやかなものだった。
金融関係の調査機関SERASAが全国九一九社の父の日向け販売の影響を調べたところ、わずか三二社が昨年より上回る事を期待すると答え、残りは悲観的だった。大企業は楽観的で、四八%が昨年より上回るとし、中小企業は三八%(横ばいが三七%)、零細企業は下回るとして悲観的なのが三五%(横ばいが三七%)だった。同じ調査で恋人の日(三五%)母の日(三七%)、復活祭(四四%)は楽観的見方が強かった。地方別では北部が四六%、北東部が四七%で期待度が高い。
しかしサンパウロ市の小売筋では強気の商戦を打ち出している。これまで高性能のデジタル製品はオヤジどのにはチンプンカンプンで若者の専売特許だったが、切磋琢磨して時代に対応したことで使いこなせるようになったため、商店では父の日のプレゼントとして大々的に宣伝している。
その一つとして音楽のデジタル・プレイヤー(MP3)を挙げている。これまでは若者の流行だったが、昨年の価格一七九レアルから今年は九九レアルに値下げしたことで売上倍増を狙っている。MP4(ビデオ付)も二六〇レアルと手頃な値段となっている。