ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 減税案めぐり不協和音=開発省に財務省が「待った」

減税案めぐり不協和音=開発省に財務省が「待った」

ニッケイ新聞 2006年8月12日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十一日】フルラン産業開発相が先日発表した、資本財購入や民間建設、半導体製造部門を対象とする減税案について、財務省が十日に反対の姿勢を示し、その結果政府内に不協和音が生じている。
 財務省のアウメイダ事務次官は同日、予告もなく省内の記者室に向かい、「今年は減税を行わない。半導体についてもない袖は振れない。生産促進策は発表されるだろうが、それが将来的な税収増につながるとは限らない。今年の話しではない。まだまだ先のことだ」と発言し、産業開発省の考えとの隔たりを明らかにした。
 産業開発相を直接批判したものではなかったが、同次官の発言にマンテガ財務相は不快感をあらわにし、「次官は不適切な発言を行った。私に相談もなく自分の考えを述べた。次官もすでに失言を認めている。次官の(財政状況への)憂慮はもっともだが、今回のように発言してはならない」とフォーリャ紙の電話インタビューに答えた。
 同相は次官の発言の真意を説明するため、ポルトアレグレ市で休暇中のフルラン産業開発相に電話をかけた。しかし、財務省が開発省の要請にすべて応じることはないこともインタビューでは認めている。
 フルラン産業開発相とマンテガ財務相のすれ違いや衝突は今回が初めてではなく、すでに仲裁を行ってきたルーラ大統領や政府関係者は、今回も総選挙前の閣内不和を回避するべく動いた。最近、政策案が実現しない点で財務相への不満を大統領に漏らした産業開発相は、辞任までほのめかし、大統領が思い留まるよう説得した経緯がある。