ニッケイ新聞 2006年8月12日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】サンパウロ市都心部で十日午後八時五十分ごろ、エンジン故障を起こしたヘリコプターが不時着する事態が発生した。
不時着したのは都心から北部を結ぶ幹線道路のサントス・ドゥモン通りで、ラッシュを過ぎたとはいえ交通量の多い所で、あわや大惨事となるところだっただけに付近住民を驚かせた。幸いけが人はいなかった。
ヘリコプターはバンデイランテ大学の所有で、パイロットは一人でカンポ・リンポ区の同大学から北部のカンポ・デ・マルタ空港に向かっていた。
同空港に隣接するサントス・ドゥモン大通り上空にさしかかった所で、エンジン異常を知らせるパイネルランプが点滅し失速を始めた。パイロットは不時着を決めたが、同大通りは車の流れが多いことから、低空飛行のまま信号で車の通りが途絶えるの待った。
途絶えたところで着陸体制に入ったが、たまたまエンジン故障で停止した乗用車が路上にあったため、それを避けて街路樹に衝突した。そのショックで後部の半分がちぎられた。パイロットは軽いケガですんだ。爆発の怖れのため付近は通行止めとなり、夜半まで渋滞した。惨事を避けたパイロットの冷静な判断と操縦技術が賞賛されている。