ニッケイ新聞 2006年8月16日付け
ピラシカバのM・デジーニが、エタノールプラントを米国へ輸出した。プラントはヴァージン島に設置され、ブラジルなどから水和性の原料を輸入し、無水性に加工し米国へ輸出する。米国は直接ブラジルから輸入すると、一ガロン当たり〇・五四ドル・セントの関税と二・五%の課徴金を課される。カリブ海経由は免税になる。カリブ海には、多数のエタノール加工工場がある。ブラジルなどから年間一五億リットルの原料エタノールを輸入し、製品を米国へ輸出する。カリブ海地域には多数の砂糖工場もある。ほとんどはさとうきびの絞り汁から粗糖にし、さらに別の工程で精糖にする旧方式である。M・デジーニのプラントは、絞り汁から直接精糖にする。
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ロドリゲス前農相はドイツを訪問し、「エタノール大使」の異名を貰った。前農相によれば、EUがブラジルのエタノール輸入に踏み切れないのは、ブラジルの生産能力にあるという。ブラジルは過去三〇年間、二度エタノール輸出で迷惑をかけた経緯がある。ブラジルは現在、年間一七五億リットルのエタノールを生産し、一五〇億リットルを国内消費に向けている。ブラジルの全耕作地の一〇%はさとうきびを栽培している。一〇年計画で、さらに一二〇億リットル増産する計画がある。アマゾン熱帯雨林を伐採して、さとうきびを植える計画もある。ブラジルは気候といい地質といい、さとうきび向きの国という。