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「会長補佐」を新設=文協=〝歯抜け〟理事会に対策

ニッケイ新聞 2006年8月17日付け

 【既報関連】ブラジル日本文化協会(上原幸啓会長)の理事会は、十月の総選挙などのために副会長三人と理事三人の計六人が休職という、異例の歯抜け状態を補うため六月から「会長補佐」職を新設していたことが五日の評議員会で報告された。
 副会長七人のうち三人――と半数近くが任務をまっとうできない異例の状態が続いている。
 その筆頭、松尾治(第三)副会長は県連会長就任のため四月二十八日付けで離職届けを出したが、昨年の文協五十周年事業で担当部分に残務があるなど理由で受理されていない中途半場な状態。本来は福岡県人会会長、県連会長職だけでも大変な役職だ。
 さらに秀島マルセロ(第四)副会長、結城ルイス(第六)副会長は十月の総選挙で候補者補佐をする関係で休職中。
 その他、理事職においては重田エルゾ専任理事が連邦下議選挙に、ヴィウマ・モッタ常任理事(第三)も州選挙に立候補を理由に、頃末アンドレ広報担当理事も選挙候補者補佐のため休職している。まさに櫛の歯が抜けたような状態だ。
 その代わりが必要として六月一日付けで「会長補佐」が設けられ、同二十七日付けで次の五人の就任が決定されていた。桂川富夫(理事、サウーデ文協会長)、伝田英二(理事、元副会長)、小林ビットル(小林パウロ・インスティツート代表)、栗原猛(石川島ブラジル元社長)、ルイス・フェルナンド・シルバ(青年文協会長)。
 大半が選挙次第で復帰する可能性があるため、あえて別の人選をしなかった。選挙後もそのまま会長補佐職は残る予定。
 現執行部は〇三年十二月に副会長を五人から七人に増員した上、今回は会長補佐五人を新設したが、その効果のほどが問われているようだ。
 選挙で日系候補の当選を期待したい声も多いが、そのために、歯抜け状態が続くのは、文協理事会にとっては頭の痛い問題。以前は一世が占めた理事会だったために有りえない種類の問題だったが、二世主体の現体制ゆえにこのような状態になったようだ。