ニッケイ新聞 2006年8月18日付け
田中洋典氏がブラジル日本移民史料館の運営委員長を今月一日付けで退職した。
史料館は国士舘、日本館とともに経営面で文協の悩みの種。百周年祭典委員会の長も務めており、兼任は難しいと判断してのことだという。
自分の代わりに推挽したのは、文協副会長の関根隆範氏。まだ決定してはいないが、七副会長のうち三人が現在離職状態。柔道でならした肩でもそれを支えるのは容易ではないだろう。
「知識、能力的に無理と判断しました」。最近左腕を負傷した田中氏、ギブス姿が痛々しい。これからは百周年祭典に専念するという。
空席が続く百周年協会事務局長について同協会、渡部和夫顧問に聞くと、「いい人はいませんか」と真顔で困り顔。
辞める人、肩書きだけでその顔が見えない人、日系百四十万人がまぼろしのようだ。(剛)