【自動車部門】
上半期の四輪車、二輪車は、生産、販売ともに過去最高記録を更新。通期も過去最高を予測している。
FLEX・FUEL車のシェアは安定的に七割を超え、更に拡大する見込み。四輪車輸出は為替がブレーキをかけたが、輸入は各社の値上げ、販売促進効果もあり、好調に推移している。
二輪車の輸出は六月から米国向けが本格化し、前年同期並みを達成。輸入では、レアル高と中国製コピー製品流入により、通期では前年を下回る見通しだ。
部品業界では全体的な売上げ増加を見込んでいるが、〇五年後半以降の売上げ伸び率の鈍化傾向は継続している。
【機械金属部門】
製鉄・鋼材=産機、自動車では増加。造船、農機、建設では減少。国内需要は軟化傾向、国際価格は調整局面に入る。原料や非鉄金属の暴騰でブラジルは値上げ局面にある。
電力・プラント=上半期は好調。下半期は引き続き国内・輸出のプラント、機器商談に対応する。
農機・汎用エンジン=不振傾向。価格好転の見込みはなく農機市場は深刻。今後は比較的好調な分野と畜産分野でのシェアー競争が熾烈化すると予測。
各種工具=自動車・二輪関連で順調。一般工具は第1四半期以降鈍化傾向で、下半期の工場操業度は七〇%を予測。
測定機器=中国製品におされ減少傾向で、今後も輸入品対策と新型機生産開始に注力。
軸受=自動車・二輪で好調。農機、電機、家電は低調。為替の影響で採算悪化。今後とも現レベルでの我慢が続く。
ネジ=自動車・二輪向けが前年同期比一〇%の伸び。中国製品の伸びに注意だが、七~一〇%程の堅調な伸びを見込む。
潤滑油=前年同期比二一%の伸び。原油高とレアル高で販売価格・利益とも横這い。今後は減収・減益見込みで経済政策に期待。
【繊維部門】
国内綿花は大幅生産減少で輸入増加の見込み。世界綿花では主要生産国中、ブラジルのみ減産。今後は原油高、米国綿産地の早魃、ハリケーンなどによる天候相場に注目。
合成繊維はポリエステル繊維の価格販売が高止まり。ポリエステル・フィラメントの輸入減。今後は天然繊維回帰が続く見込み。
糸(空紡糸)は全般的に輸入拡大で国内販売はマイナス。前年冬物の残りとワールドカップの好影響がなく市況不振。下半期は選挙向けの公共支出増などに期待したい。
布帛は薄地織物でレアル高の影響を受け輸出減少。輸入縫製品は大きな影響なし。合成価格アップで綿生地は伸展で、下半期も同様の流れと予想する。
厚地物はW杯が期待はずれで厳しい市況。下半期は冬物一掃により春夏物を早期に始める見込み。
ファスナー業界は、ジーンズ用以外で不調に終わる。今後は新製品(スライダー)や、ジーンズ、鞄分野への販売増を期待する。 (おわり)
ブラジル日本商工会議所=業種別会長シンポ=06年上半期回顧、下半期の展望=連載(4)=【自動車部門】上半期四輪二輪生産、販売過去最高=【繊維部門】国内綿花は大幅に生産減少
2006年8月19日付け