四千人の署名、日本に届く――。ブラジルと日本の犯罪人引き渡し条約締結と代理処罰制度の確立を求めて行われている署名活動で、静岡県人会が中心となってブラジルで集めた四千十六人分の署名が、二十日までに、ブラジル人が関連した交通事故で長女を失った山岡宏明さん宅に郵送で届けられた。二十一日付けの静岡新聞が伝えている。
引き渡し条約と代理処罰制度確立を求める海外からの署名は、これまでインターネットでは寄せられていたが、郵送で届けられたのは初めてのこと。
静岡県人会では今年六月、署名への協力を決議。その後、県連を通じて各県人会にも協力を呼びかけるなど、署名活動を行ってきた。
中でも、七月に開かれた県連日本祭りの会場に設置した署名ブースでは、日系に限らず非日系のブラジル人も数多く署名。三日間で約三千五百人分が集まった。
山岡さん宅に届いた署名には、県人会の鈴木静馬会長の手紙が添えられた。その中で会長は、七十歳を超えたボランティアらが署名活動を展開したことを紹介し、「多くの人たちの協力のたまもの。少しでも力になれば幸い」とメッセージを寄せた。
山岡さんは「現地ブラジル人の署名は、とても貴重で、感謝している。十月ごろ外務省に提出したい」と話し、妻の理恵さんは「容疑者の引き渡しを求めるため、署名は大きな力になる」と述べた。
署名活動の最終日は九月二日。その日は山岡夫妻らが静岡市内で行う予定だという。
帰伯逃亡デカセギ問題=ブラジルの署名、静岡に届く=山岡夫妻「とても貴重、感謝」
2006年8月22日付け