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日本人にとって有意義な日=旧サントス日語校に使用許可=ルーラ大統領「日系社会に使ってほしい」

2006年8月24日付け

 【既報関連】サントスの日本人にとって有意義な日――。二十二日、ブラジリアの大統領官邸でルーラ大統領は、サントス日本人会による旧サントス日本語学校の使用許可を認めた。一九四三年に敵性国資産としてブラジル政府に接収されてから六十三年間、サントスの日本人にとって〃終わらない戦争〃の象徴がようやく、日系社会の手に戻ってくることとなり、関係者から感激の声が上がっている。
 一九五〇年代に始まった返還運動から半世紀を経た今年三月、長年旧サントス日語校の施設を使用していた陸軍が返還を認める書類にサイン、署名活動などを行っていた現地日系社会に朗報をもたらした。
 百周年に向け、何とか返還を実現させたい――。そんな関係者の願いがかなったのは今月二十二日。
 ブラジリアの大統領官邸でルーラ大統領が旧日本語学校の使用許可を認め、パウロ・ベルナルド・シルバ企画大臣が大統領令に署名したのだ。
 署名式に出席したのは、サントス日本人会の遠藤浩会長、二、三世を中心とした金星クラブ(サントス)の中井定男会長、県連から松尾治会長、百周年協会から吉岡黎明総務委員長、日伯21世紀協議会の横田パウロ、山崎千津薫の両氏。
 席上、ルーラ大統領は、昨年の訪日や小泉首相、これからの日伯関係について言及、「(旧日本人学校は)日系社会のもので、今回日本人の手に戻るのは当然」と約十分にわたって自分の言葉で話したという。
 遠藤会長は、「大統領の言葉に感銘を受けた」と話し、松尾会長も「こんなに大統領が日本人のことを褒め上げてくれるとは。正直、嬉しい」と感動冷めやらぬ口調でコメントした。
 また席上、吉岡総務委員長は、〇八年のブラジル日本移民百周年に関するプロジェクトと予算案を大統領に手渡し、政府からの協力を要請した。
 遠藤会長によれば、これから補修工事などを行い、日本語学校を主とした文化センターとして活用したいという。今まで会館のなかった日本人会の活動拠点にもなるようだ。
 「みんな喜んでくれている。サントスの日本人にとって、とても有意義な日だった」と話す遠藤会長。百周年をめどに盛大なイナウグラソンを行う考えだという。