ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

お手上げ状態の国境取締り=連警一人当たり10キロ=犯罪組織が麻薬など密輸拡大

2006年8月29日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】南米の近隣十カ国と接する国境線が一万六八〇〇キロメートルに及ぶにもかかわらず、配置されている連邦警察の国境犯罪取締官がわずか一七〇〇人という少数で、取締は全くのお手上げの状態に陥っている実態が明らかになった。
 これに対し軍隊の国境警備要員は一万四〇三七人で、両方合わせると一人当たりの受け持ち範囲は一〇〇〇メートルの計算となる。しかし、実情は、軍隊が外国からの侵入を監視する国防に専念して、犯罪にはノータッチであることから、連警の一人当たりの受け持ち範囲は一〇キロとなる。
 連警は出入国管理という重要任務を抱えているため犯罪取締りは手薄となり、増員に向けてSOSを発信しているのが現状だ。とくにサンパウロ州での州都第一コマンド(PCC)の暴挙がエスカレートし、政府に対して治安強化が叫ばれている昨今、犯罪組織の密輸、とくに麻薬と武器の国境取締りが急務となっている。
 PCCとCV(コマンド・ヴェルメーリョ、リオデジャネイロ州を根城としている)の国内二大犯罪組織は、連警の取締りが手薄なことに乗じ、ますます密輸ルートを拡大している。南米近隣諸国に支部や倉庫を開設して大掛かりな密輸を展開している、連警が一年に数度行なう撲滅作戦(連警にとってはこれが取締りの限界)で摘発されても、別のルートが用意されている周到さで撲滅には至らない。
 PCCの財源となっている、大麻、コカイン、武器の密輸ルートはパラグアイに集中している。ポンタ・ポラン市と隣接するパラグアイ領のペドロ・ホアン・カバレロ市では、PCCの幹部出張員や脱獄者、警察の手配を逃れたメンバーらが公然と活動している。メンバーらはサンパウロ州の刑務所に服役している幹部連中と電話で連絡を取り合い、その指示のもとに活動している。国境には石碑があるだけで、取締官の姿は見当たらない。
 パラグアイでは二〇〇二年、居住していない外国人に対し武器の販売を禁止する法令が出されたが、商店筋ではお構いなしに横流ししているのが実情だ。
 パラグアイからマット・グロッソ州経由の陸路に加え、最近はリオ・グランデ・ド・スル州のルートが急増している。ウルグアイに品物を持ち込み、ブラジルに搬送する手口だ。それには国境で折半されるクアライ市(ポルト・アレグレ市から五九〇キロ)が中心となっている。ウルグアイ領のアルチガ市の大通りが国境となっている。この市を流れるクアライ川が密輸ルートで、税関の下を白昼でも馬車で品物を運搬している。もちろん、取締官の姿は見当たらない。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button